サッカー界の「レジェンド」サー・ボビー・チャールトンが設立し、デビッド・ベッカムはじめ多くのプロを輩出した、イギリスの少年サッカースクール「ボビー・チャールトン・サッカー&スポーツ・アカデミー(Bobby Charlton Soccer and Sports Academy / BCSSA) 」 。

世界中からサッカー少年少女が集まる1週間の夏休み合宿「サマーレジデンシャル(Summer Residential)」を紹介するブログです。2016年の募集は終了しました。2017年分は予約可能ですが、日程と価格は今秋の発表予定です。


2015年9月10日木曜日

マンチェスター名所案内(2) チェサムズ図書館 〜 英国最古の公共図書館

名所案内の2回目は「チェサムズ図書館(Chetham’s Library)」。

イギリス最古の公共図書館です。同時に英語圏最古の公共図書館でもあります。

2015年8月スタッフ撮影(以下同)
本題に入る前に表記について。

人名 Chethamにつく所有格の ’s の訳し方によって「チェサム “の" 図書館」あるいは「チェサムズ・ライブラリー」と表記するところもありますが、ここでは多数派の「チェサムズ図書館」表記に従います。



前回ご紹介したマンチェスター大聖堂のほぼ北隣に位置し、ヴィクトリア駅からすぐのところにあります。

この図書館の設立は1653年。日本の江戸時代初期にあたります。



しかし「図書館としては」という但し書きがつきます。というのは建物自体はもっと古く1421年に建てられたものだからです。修道士の養成所として使われていたそうです。

ちょうどその時代は、英仏間の百年戦争まっ只中。日本で言うと室町時代、大人になった一休さんとほぼ同時代です。

ここを図書館としたのは、当時の豪商・地主である、ハンフリー・チェサム(Humphrey Chetham / 1580-1653)で、名称も彼に由来します。

篤志家だった彼は、病院や音楽学校なども作っています。音楽学校は世界的に有名な「チェサムズ音楽学校」として現存しています。

向こうに見える塔はマンチェスター大聖堂。すぐとなりです。

蔵書は10万冊以上ありますが、その半数以上が1851年(日本の幕末期。ジョン万次郎が琉球に上陸した年)以前に出版されたものだそうです。

そのうち、日本人に馴染みのありそうな例をあげると、アイザック・ニュートンの「数学原理(プリンキピア・マテマティカ / "Principia Mathematica")」の初版が有名です。

歴史的には、カール・マルクスとフリードリッヒ・エンゲルスがここで「共産党宣言」の構想を練り、執筆したことでも知られています。今でも彼らが使った小部屋が残っており、実際に席に座ることもできます。

では、中に入ってみましょう。


まさに中世の雰囲気。ハリー・ポッターの世界を思い出す方も多いでしょうね。








最後の2枚は活版印刷の活字と原版。内容は19世紀の「Johnny Green’s Wedding and description of the wonders then seen at Chetham’s Library in Manchester」という歌の歌詞らしいです。

先にも触れたとおり、マンチェスター大聖堂、ナショナル・フットボール・ミュージアム、アーンデール・ショッピングセンターが徒歩圏内にまとまってありますので、観光プランは立てやすいと思います。

最後に留意点を。

ここは非常に貴重な歴史遺産であるだけでなく、「現役の」図書館でもあります。
研究目的で訪れる人もいますので、訪問時は極力予約してから行ってください。

また、入場無料ではありますが、寄付金をご用意しておかれるとよいでしょう。


チェサムズ図書館

◎所在地

 Long Millgate, Manchester M3 1SB

 電話:0161 834 7961 (日本からの国際電話は+44 161 834 7961)


◎開館時間

 月〜金(午前)09:00-12:30 (午後)13:30-16:00 土日祝日は休館。

 単なる観光スポットではなく、現役の図書館です。
 研究など書架閲覧目的の人も訪れますので、
 見学だけの場合でも事前の予約をしてください。


◎入場料金

 無料ですが、寄付金をいくらかご用意ください。


◎交通機関

 メトロリンク「マンチェスター・ヴィクトリア(Manchester Victoria)」駅すぐ


◎公式ウェブサイト

 http://www.chethams.org.uk/


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